自転車技士バッチ5色 平成18年度自転車技士試験案内】
   ― 自転車組立、検査及び整備技術審査 ―




平成17年度より、従来の自転車組立整備士から、新たに自転車技士に生まれ変わりました
  • 新制度は、更新制度を導入し、5年毎に講習会を受講し、資格更新していただくことになりました。但し、従来制度により取得した自転車組立整備士は、新制度導入後も引き続き有効ですが、講習会を受講することにより、新制度の技士資格の取得ができます
  • 本制度は、経済産業省の後援により実施します。
  • 自転車技士は、自転車製造の最終工程で、通常小売店等が行う組立、検査及び整備に係る技術を審査し、その合格者に付与される称号です。
  • 完成車JISマーク表示、SGマーク表示及びBAAマーク表示自転車の最終組立及び点検調整は、自転車技士又は従来の自転車組立整備士が行うことが条件となっています。
  • この自転車技士及び(財)日本交通管理技術協会が実施している自転車安全整備士制度は、受験者の大部分が資格を併せて取得することを希望しているため、試験日は同日とし、また、実技試験を同一試験で兼用する措置がとられています。


 


実技試験風景
 



<受験申請>

 5月中頃に受験案内が発行されます。本年度の受付は下記のとおりです。

  1. 受付期間

   平成18年6月1日(木)~6月16日(金)

  1. 受験申請書の提出先
(財)日本交通管理技術協会 業務部
162-0843 東京都新宿区市谷田町2-6 エアマンズビル市ヶ谷
電話: 03-3260-3621

<受験資格>
  1. 18歳以上であること。(昭和63年8月23日以前に生まれた者)
  2. 自転車の組立、検査及び整備に関して2年以上の実務経験を有すること。

<試験日及び会場>
試 験 日: 平成18年8月10日(木)
試験会場: 次の5会場

試験地

    試 験 会 場

所在地

北海道

道立職業能力開発支援センター

札幌市

宮城県

宮城広瀬体育館

仙台市

埼玉県

見沼グリーンセンター

さいたま市

広島県

広島市中小企業会館

広島市

香川県 香川県立体育館  高松市

試 験 日: 平成18年8月17日(木)
試験会場: 次の1会場

試験地

    試 験 会 場

所在地

東京都

東京流通センター

大田区


試 験 日: 平成18年8月24日(木)
試験会場: 次の4会場

試験地

    試 験 会 場

所在地

愛知県

名古屋市国際展示場

名古屋市

滋賀県

滋賀県立体育館

大津市

大阪府

南大阪地域地場産業振興センター

堺市

福岡県

北九州メディアドーム

北九州市


<実技試験>
  • 実技試験は、次の受験用自転車を受験者が持参し、7分組みの状態から分解及び組立の実技について試験を実施します。
  • 実技試験に使用する自転車は、市販のスポーツ車(マウンテンバイク類形車含む)又はマウンテンバイクで新車とし、主な仕様は次のとおりです。
a. 二輪で一人乗り。
b. 全長190cm以下、全幅60cm以下。
c. 車輪の径の呼び26以上。
d. フロントディレーラ(前部外装変速機)、大ギヤ3段(トリプル)。
e. リヤディレーラ(後部外装変速機)、小ギヤ6段以上。
f. 前車輪、後車輪ともに32本以上のスポーク。
g. 前車輪、後車輪ともにハブの固定はナット締め付け式又はクイックレリーズ式ハブのもの。
h. 後車輪のハブは丸穴式のみとする。
i. ブレーキは前・後ともキャリパーブレーキ(カンチレバー形、サイドプル形、センタプル形)又はVブレーキとし、他のブレーキのものは認めない。
j. スタンドは1本スタンド又はセンタースタンドのもの。
k. 折りたたみ車でないもの。
l. 多段小ギヤ用ユニットハブ又は多段フリーホイール用普通後ハブ又はフロントフリー式のもの。
m. リヤリフレクタ(後部反射器)を装備すること。
n.  ベルを装備すること。
o. サスペンション付きでもよい。



<学科試験>

  • 参考文献として「自転車組立、検査及び整備マニュアル」過去8年間に出題された学科試験問題を有料にて配布しています。
  • 詳細は下記「自転車技士試験に関する問い合わせ先」にご連絡下さい。
    ※その他参考資料 (問い合わせ先 (財)日本規格協会 TEL.03-3583-8002)
    ・JIS D9301-2004「一般用自転車」
    ・JIS D9302-1998「幼児用自転車」

<受験手数料>

区 分 手数料
自転車技士 18,900円(消費税込み)
自転車技士・安全整備士双方受験 26,250円(消費税込み)

<自転車技士試験に関する問い合わせ先>

(財)日本車両検査協会 本部    案内図
114-0003 東京都北区豊島7-26-28
電話: 03-5902-3455  Fax.: 03-5902-3411

<昨年度の試験実績>

平成17年度自転車技士試験結果
申請者数 1,517名   
受験者数 1,454名   
合格者数 812名   
合 格 率 55.8%   




受験申請書と学習参考資料のご案内

下表は各1部についてご案内です。価格は送料・税込みで表記してあります。
複数ご入用の場合は送料等安価になりますので、前記本部までお問合せ下さい。
ご注文は、必要資料名と部数、発送先及び連絡先を明記の上、現金書留にてお申込み下さい。
   (注)平成18年5月1日現在の価格です。                            


受験申請書/マニュアル/過去問題
申請書 (財)日本車両検査協会又は各都道府県の自転車商協同組合にお問合せ下さい。
 ※(財)日本車両検査協会から入手する場合は合計500円(申請書300円、送料200円)が必要です。
マニュアル 単品で必要な場合。2,590円(マニュアル2,200円、郵送料390円)。
技士学科試験
過去問題
H17年度合計770円(過去問題630円、郵送料140円)
 ※その他の過去問題等はお問合せ下さい。
【一例】
申請書・マニュアル・過去問題のセット
H18年度技士受験申請書とマニュアル、H17年度学科試験問題の組合せセット合計3,660円(申請書300円、マニュアル2,200円、H17年度過去問題集630円、宅配料530円)
 ※他の組合せの場合はお問合せ下さい。


受験案内
( 申請受付期間6月1日から16日まで )
自転車組立、検査及び整備マニュアル
( マスターして合格点をクリアしよう )
平成17年度学科試験問題
( 17年度の3種類の問題を掲載 )







実技試験における自転車の組立について

 

平成17年度の「自転車組立、検査及び整備技術審査」の実技において、減点が目立った組立内容について報告いたします。平成18年度に受験される方はワンポイントアドバイスをご参照ください。

 

平成17年度実技試験実施状況

1.必須項目  

必須項目に問題があれば審査の対象から外されますが、平成17年度においては約5人に1人が審査の対象から外されています。

(対象数=1,385台)

項   目

台数(台)

率(%)

備   考

未完成

90

.5

部品の組付けが未完成

スポーク張力不足

85

.1

150N以下のものが3本以上

車輪の振れが5mm以上

47

.4

 

制動不良

28

.0

前・後ブレーキの制動不良

安全性を損なう組付け

28

.0

 

合 計

278

20.1

 

 

2.減点項目  

   平成17年度の実技において、減点となりました主な項目は次の通りです。

                                                          (対象数=1,107台)

項   目

台数(台)

率(%)

備   考

1.車輪の振れ

281

25.4

車輪の振れが縦横とも1.0mm以上は減点

2.ブレーキブロックとリムのすきま

225

20.3

ブレーキの片効きやリムとのすきま

3.ディレーラーの調整不良

193

17.4

ロー、及びトップ側へのオーバーラン防止

4.サドルの固定不良

188

17.0

 

5.リヤリフレクタの組み付け不良

131

11.8

 

6.車輪とフレーム(前ホーク)のすきま

115

10.3

 

7.ペダルの固定とバリ

108

.8

 

8.ワイヤキャップの固定力

105

.5

 

9.タイヤの組み付けと空気圧不足

102

.2

 

10.チェーン継ぎ不良

88

.9

 

11.ハンドルの固定不良

81

.3

 

12.ブレーキレバーの組み付けと固定

71

.4

 

13.ベルの組み付け位置と固定

69

.2

 

14.サドルの組付け姿勢

64

.8

サドルの組み付け位置と角度

15.車輪組立不良

35

.2

 

 


実技試験ワンポイントアドバイス....

 1)車輪振れ

 何度も車輪組を練習したリムは歪が生じている場合があり、歪が生じていますと振れ取りが難しくなりスポークの張力にもバラツキが生じ易くなります。
 車輪組を練習する場合は、試験に使用する自転車以外の車輪で練習されることをお勧めいたします。また、スポークのねじ部には防錆油等を塗布しておけばスポークニップルの締まりもよくなります。

 

 2)ブレーキブロックとリムのすきま

 キャリパーブレーキの場合、ブレーキ本体の組付けでアーチ本体が取付けねじの締めで、締め付け方向に偏りますので、ブレーキブロックの片当たりが生じ易くなります。
 ブレーキ本体の組み付けにおいては、本体を片手で押さえ締め付けることが大切です。
 また、ブレーキブロックとリムのすきまは、左右とも2mm位が最適です。

 

 3)ディレーラーの調整不良

 ディレーラーの調整は各段へのシフトは勿論のこと、シフトワイヤが伸びた場合にトップギヤ及びローギヤよりチェーンがオーバーランしないように調整することが大切です。
 最近のディレーラーはシフトレバーとディレーラーが同調する構造になっていますが、アジャストねじの調整は必ず行ってください。

 

 4)サドルの固定力不足

 シートピンの締め付けを何度も繰り返しますとシートピンのねじ山が痛み、シートピンを強く締付けてもサドルが簡単に動く場合があります。シートピンのねじ部には必ずグリスを塗布してください。
 グリスを塗布することでねじの締まりがよくなり、サドルの固定力もアップします。

 

 5)リヤリフレクタの組付け不良

 リフレクタは夜間走行時の視認性を高めるための部品です。固定力は勿論のこと、反射板の光軸は自転車の進行方向に対し平行で、上下左右に5度以上狂わないように組付けてください。

 

 6)車輪とフレーム(前ホーク)のすきま

 車輪とフレーム(前ホーク)のすきまは2mm以上となっていますが、車輪を組付ける際には、車輪の中心がフレームの中心線上にくるように車輪を片手で押さえ、ハブ軸ナットを締付けることが大切です。

 

 7)ペダルの固定とバリ

 ペダルを強く締め付けようとしますと、ペダル軸でギヤクランクのペダル組付け面が削られバリが生じることがあります。必ずペダル軸の締め付け面にバリが生じていないか確認してください。

 

 8)ワイヤキャップの固定力

 ワイヤキャップを組付ける場合、プライヤーを用いてワイヤキャップを潰されるケースがありますが、プライヤーで潰したのでは固定力が得られません。必ずラジオペンチの刃の部で潰すようにしてください。

 

 9)タイヤの組付けと空気圧不足

 タイヤの組付けがリムに対し偏りが生じますと車輪に振れが生じるほか、バースト発生の要因になります。
 リムにタイヤを組付けた後、必ずリムに対しタイヤが均一に嵌め合わされているか確認し空気を入れるようにしてください。
 なお、空気入れはゲージ付ポンプの使用をお勧めいたします。

 

10)チェーン継ぎ不良

 チェーン継ぎ不良は大きな事故に繋がる恐れがあります。チェーン継ぎを行った後は必ずプレートよりピンの出具合がプレートより左右均等になっているか確認してください。
 なお、補修用ピンを使用する特殊なチェーンは必ず補修用ピンを準備してください。

 

11)ハンドルの固定

 ハンドルの組付けを繰り返しますと引き上げ棒のねじが痛み、強く締めてもハンドルが回ってしまうことがあります。引き上げ棒のねじ部には必ずグリスを塗布してください。また、ハンドルを締付けた後は前輪を股で挟みハンドルを回し確認してください。

 

12)ブレーキレバーの組付けと固定

 ブレーキレバーの組付け角度はハンドルバーの形状によっても異なりますが、ハンドルバーを握って容易にブレーキレバーを引ける角度に組付けます。
 また、ブレーキレバーを組付け後、ブレーキレバーの先端部を指先で押して固定力を確認してください。簡単にブレーキレバーが回るようであれば締め付け不足です。

 

13)ベルの組付けと固定

 ベルの組付けは、ブレーキワイヤやシフトワイヤに接しますとベルの響きが悪くなります。必ずベルを鳴らして響きを確認してください。

    

14)サドルの組付け姿勢

 サドルの組付けは、シートポストの延長線上にサドルの中央部を合わせ、サドルの座面が水平になるように組付けます。

 

15)車輪の組立不良

 ハブにスポークを通す場合に通し方を誤りますと正しい車輪の組立ができません。また、組み始めは必ずリムのバルブ穴を基準に組み立ててください。