H19年度版実技試験のためのワンポイント!!
「自転車組立、検査及び整備技術審査」の実技において、減点の目立っ組立内容と実技試験ワンポイント。

項目別減点ワースト10 (平成19年度実技審査結果資料より)

順位 項 目 構成比
H19年度
1 後車輪の振れ (振れが縦横とも1.0mm以上は減点となり。5mm以上は不合格です) 18.7%
2 ブレーキブロックとリムの隙間 (ブレーキブロックとリムの隙間はほぼ均等で、ブレーキブロックはりムの制動面に正確に当たること) 16.7%
3 ディレーラの調整不良 (各段ごとに確実にシフトし、チェーンが外れないこと) 15.5%
4 シートポストと立パイプとの固定力不足 (水平方向に220Nの力で動かないこと) 12.3%
5 未完成 (時間内に組立ができない、又、対象となる部品が取付けられていない) 8.5%
6 サドルの取り付け姿勢不良 7.0%
7

リフレクタの取り付け角度不良 (主光軸は進行方向に平行で、上下左右に5°以上の傾きがあってはならない)

6.8%
8 ブレーキブロックの固定力不足 6.4%
9 後車輪のスポーク張力不足 (後車輪のスポークで張力が不足すると減点となり,150N以下のスポークが3本以上ある場合は不合格です) 5.3%
10 ハンドルステムの固定力不足 4.6%
 
■実技試験ワンポイントアドバイス
車輪の振れ
 何度も車輪組を練習したリムは歪みが生じている場合があり、歪みが生じていますと振れ取りが難しくなり、スポークの張力にもバラツキが生じ易くなりますので、車輪組を練習する場合は、実技試験に使用する自転車以外の車輪で練習されることをお勧めいたします。
 また、スポークのねじ部に防錆油等を塗布しておけばスポークニップルの締まりもよくなります。

ブレーキブロックとリムの隙間
  技試験においては、にぎりの組付けを省略していますので、ブレーキブロックとリムの隙間が多少大きくなってもブレーキが効くようになっていますが、にぎりを組み付けるとブレーキレバーの作動範囲が狭くなり、制動力が弱くなります。
 ブレーキブロックとリムの隙間は左右均等で約2mm位に調整することが必要です。

ディレーラの調整不良
 最近のディレーラは、シフトレバーとディレーラが同調する構造になっていますので、シフトワイヤの張り方が基本になります。(強く張り過ぎても、たるんでいても調整はうまくできません)
 現在市販されていますディレーラの大半はトップノーマル(シフトレバーをいっぱいに戻した時がトップの状態)のため、シフトレバーをいっぱいに戻した時、ディレーラのテンションプーリがトップギヤの真下になるように、シフトワイヤの張りを調整し、シフトレバーを1段毎にシフトし、変速の具合をチェックします。
 また、チェーンのオーバーランを防止するため、ローギヤ及びトップギヤ側のストッパー調整も確実に行う必要があります。


シートポストと立パイプとの固定力不足
 シートポストと立パイプとの固定力不足の大半は、クイックレリーズのシートピンで発生しています。レバーの締付けは、手の平に痛みを感じる位の力で締め付けるようにしてください。
 また、シートポストの表面、立パイプの内面に防錆油等が付着しているケースがありますので、組み付け時油は拭き取ってください。

未完成

 未完成の大半は、車輪の組立に時間を要し、結果的に組立が完成できなかったものです。車輪の組立は遅くとも40分以内に組み立てられるよう練習しましょう。

サドルの取り付け姿勢不良
 サドルの組み付けの基本は、シートポストの延長線上にサドルの中心部がくるように組み付け、また、サドルの座面が水平になるように組み付けます。

リフレクタの取り付け角度不良
 リフレクタの組み付けについては、組み付け後、自転車より離れて反射面の角度をチェックしてください。(上下左右に5°以上の傾きがあってはいけません)

ブレーキブロックの固定力不足
 ブレーキブロックを組み付ける場合、ブレーキブロックが供回りしやすいので、組み付ける場合、ブレーキブロックをしっかりと押えて締付けを行ってください。

後車輪のスポーク張力不足
 最適なスポーク張力は700~800Nといわれていますが、車輪組立後、スポーク張力がどの程度あるかの判断は、スポーク張力計がない場合、指先の感に頼る以外はありませんので、前輪との比較を行うことも一つの確認方法です。
 なお、後車輪はオフセット組になるため、左側のスポーク張力がどうしても低くなります。従ってスポーク張力の確認は左側のスポークで行ってください。

ハンドルステムの固定力不足
 シートポストと立パイプの固定力不足と同様、ハンドルポストの表面、及び前ホークのステムパイプの内面の防錆油等を拭き取り組み付けを行ってください。