実技試験のためのワンポイント!!
「自転車組立、検査及び整備技術審査」の実技において、減点の目立っ組立内容と実技試験ワンポイント。

項目別減点ワースト10 (平成18年度資料より)

順位 項 目 構成比
1 後車輪の振れ (後車輪の振れが縦横とも1.0mm以上は減点。5mm以上は不合格) 23.1%
2 ディレーラのトップ側及びロー側の調整 (各段ごとに確実にシフトし、チェーンが外れない) 15.5%
3 ブレーキブロックとリムとの隙間 (左右ほぼ均等、リム制動面に沿って正確に当たる) 14.2%
4 後車輪のスポーク張力 (150N以下のスポークが3本以上ある場合は不合格) 7.3%
5 途中棄権又は採点項目の対象部品が取付けられていない (不合格) 7.3%
6 リヤリフレクタの取付姿勢 (主光軸は進行方向に平行で、上下左右に著しい傾きがない) 7.2%
7 チェーンの継ぎ (ピンの出入り異常、継目の固着、作動不円滑がない) 6.3%
8 車輪のすきま (前後輪、タイヤとフレーム体又は前ホーク各部とのすきま2mm以上で左右ほぼ均等) 5.8%
9 ペダルの固定及びバリの発生 (十分締め付けてあり、クランクにバリが発生していない) 5.3%
10 ポストと立パイプとの固定 (水平方向に220Nの力で動かない) 5.1%
■実技試験ワンポイントアドバイス
車輪振れ
 何度も車輪組を練習したリムは歪が生じている場合があり、歪が生じていますと振れ取りが難しくなりスポークの張力にもバラツキが生じ易くなります。
 車輪組を練習する場合は、試験に使用する自転車以外の車輪で練習されることをお勧めします。また、スポークのねじ部には防錆油等を塗布しておけばスポークニップルの締まりもよくなります。

ディレーラーの調整不良
 ディレーラーの調整は各段へのシフトは勿論のこと、シフトワイヤが伸びた場合にトップギヤ及びローギヤよりチェーンがオーバーランしないように調整することが大切です。
 最近のディレーラーはシフトレバーとディレーラーが同調する構造になっていますが、アジャストねじの調整は必ず行ってください。

ブレーキブロックとリムとの隙間
 キャリパーブレーキの場合、ブレーキ本体の組付けでアーチ本体が取付けねじの締めで、締め付け方向に偏りますので、ブレーキブロックの片当たりが生じ易くなります。
 ブレーキ本体の組み付けにおいては、本体を片手で押さえ締め付けることが大切です。
 また、ブレーキブロックとリムのすきまは、左右とも2mm位が最適です。


車輪の組立不良
 ハブにスポークを通す場合に通し方を誤りますと正しい車輪の組立ができません。また、組み始めは必ずリムのバルブ穴を基準に組み立ててください。

ベルの組付けと固定
 ベルの組付けは、ブレーキワイヤやシフトワイヤに接しますとベルの響きが悪くなります。必ずベルを鳴らして響きを確認してください。

リヤリフレクタの組付け不良
 リフレクタは夜間走行時の視認性を高めるための部品です。固定力は勿論のこと、反射板の光軸は自転車の進行方向に対し平行で、上下左右に5度以上狂わないように組付けてください。

チェーン継ぎ不良
 チェーン継ぎ不良は大きな事故に繋がる恐れがあります。チェーン継ぎを行った後は、必ずプレートからのピンの出具合がプレートより左右均等になっているか確認してください。
 なお、補修用ピンを使用する特殊なチェーンは必ず補修用ピンを準備してください。

車輪とフレーム(前ホーク)のすきま
 車輪とフレーム(前ホーク)のすきまは2mm以上となっていますが、車輪を組付ける際には、車輪の中心がフレームの中心線上にくるように車輪を片手で押さえ、ハブ軸ナットを締付けることが大切です。

ペダルの固定とバリ
 ペダルを強く締め付けようとしますと、ペダル軸でギヤクランクのペダル組付け面が削られバリが生じることがあります。必ずペダル軸の締め付け面にバリが生じていないか確認してください。

サドルの固定力不足
 シートピンの締め付けを何度も繰り返しますとシートピンのねじ山が痛み、シートピンを強く締付けてもサドルが簡単に動く場合があります。シートピンのねじ部には必ずグリスを塗布してください。
 グリスを塗布することでねじの締まりがよくなり、サドルの固定力もアップします。

ブレーキレバーの組付けと固定
 ブレーキレバーの組付け角度はハンドルバーの形状によっても異なりますが、ハンドルバーを握って容易にブレーキレバーを引ける角度に組付けます。
 また、ブレーキレバーを組付け後、ブレーキレバーの先端部を指先で押して固定力を確認してください。簡単にブレーキレバーが回るようであれば締め付け不足です。

ハンドルの固定
 ハンドルの組付けを繰り返しますと引き上げ棒のねじが痛み、強く締めてもハンドルが回ってしまうことがあります。引き上げ棒のねじ部には必ずグリスを塗布してください。また、ハンドルを締付けた後は前輪を股で挟みハンドルを回し確認してください。

タイヤの組付けと空気圧不足
 タイヤの組付けがリムに対し偏りが生じますと車輪に振れが生じるほか、バースト発生の要因になります。
 リムにタイヤを組付けた後、必ずリムに対しタイヤが均一に嵌め合わされているか確認し空気を入れるようにしてください。
 なお、空気入れはゲージ付ポンプの使用をお勧めいたします。

ワイヤキャップの固定力
 ワイヤキャップを組付ける場合、プライヤーを用いてワイヤキャップを潰されるケースがありますが、プライヤーで潰したのでは固定力が得られません。必ずラジオペンチの刃の部で潰すようにしてください。

サドルの組付け姿勢
 サドルの組付けは、シートポストの延長線上にサドルの中央部を合わせ、サドルの座面が水平になるように組付けます。